## 序論 [[現代システム科学概論 - 木村英紀#1.5 システムの定義を巡って (p. 11)]]では、入出力システムという概念が提示されている。システムとは、任意の入力に対して何かしらの出力を行うものである、という定義である。 ## 本論 入力$u$、出力$y$とした時、システムの入出力関係は抽象的な関数$f$を用いて、$y=f(u)$と表現できる[^1]。 入出力は時間に依存すると考えるとさらに以下のように表現できる[^1]。 $\{y(t): -\infty \lt t \lt \infty \} = f(\{u(t): -\infty \lt t \lt \infty\})$ [[システムとは複数の要素とそれらの相互作用で構成されるものである]]という古典的定義が構成要素からシステムを表現しているのに対し、この定義はシステムの外部を想定し、その外部からの入力に対する特性を明示している。 ## 発展的結論 システムとは入力と外部に対する出力という関係を表現するものにすぎない。このようなブラックボックス的な視点を許容する点で、実世界のモデリングや工学的応用において柔軟性を持つ。特に時間依存性や因果律といった概念が本質的に組み込まれていない点に着目したい。 [^1]: [[現代システム科学概論 - 木村英紀#1.5 システムの定義を巡って (p. 11)]]