## 序論
[[現代システム科学概論 - 木村英紀#1.5 システムの定義を巡って (p.11)]]に記述されている通り、システムの定義には2種類ある。そのうちの一つ、古典的な定義では要素とその相互作用によってシステムが導かれる。システムは極めて応用範囲の広い概念であり、特に古典的な定義としては多様な定義がなされるため、ここでは事例も採集して紹介する。
## 本論
最も単純な定義として、[システム (Wikipedia)](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0)に記載されている以下の定義がある。
> **システム**([英](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E8%AA%9E "英語"): system)は、[相互に影響を及ぼしあう要素](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E4%BA%92%E3%81%AB%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%82%92%E5%8F%8A%E3%81%BC%E3%81%97%E3%81%82%E3%81%86%E8%A6%81%E7%B4%A0 "相互に影響を及ぼしあう要素")から構成される、まとまりや仕組みの全体。
ここでは、複数の要素とそれらの相互作用から成り立つものをシステムとしている。
[Definition of System: General Case (INCOSE)](https://www.incose.org/about-systems-engineering/system-and-se-definitions/general-system-definition#:~:text=A%20system%20is%20an%20arrangement,the%20sum%20of%20the%20parts%E2%80%9D.)では、以下のような定義がある。
> _A **system** is an arrangement of parts or elements that together exhibit behaviour or meaning that the individual constituents do not._
ここでは、個々の要素では実現できない振る舞いや意味がシステムでは創発するという[[全体性とは何か|全体性]]を定義に含めている。また、さらに細かく[[物理システム|Physical System]]と[[概念システム|Conceptual System]]に分け、その組み合わせで構成されると説明されている。
[[現代システム科学概論 - 木村英紀#1.5 システムの定義を巡って (p.11)]]では、さらに以下のような定義も紹介されている。
>ある目的を達成するために機能要素が適切に結びついた複合体
ここでは「目的」という語が含まれており、時間軸とその方向性を導く主体の存在が定義に含まれている。
## 発展的結論
要素に対峙するシステムという簡単な定義ではあるが、その定義には世界観そのものが含まれている。ホーリズムの立場を取っていれば、INCOSEによる定義が自然に感じるかもしれない。
この[[全体性とは何か|全体性]]のもたらす構造をより本質的とみなすと、[[ホロンとは何か|ホロン]]という概念にたどり着くこともできる。